9割うまくいかないカップルの話(前編)

心理学


ご紹介する本:異性の心を上手に透視する方法(原題:Attached
(著:アミール・レバイン/レイチェル・ヘラー 訳:塚越悦子)

はじめに

 お読み下さってありがとうございます

 皆さんは、恋愛や結婚、離婚について悩みを抱えていますか?

 例えば、「好きになった相手がいつも浮気を繰り返す」「誰かと付き合い始めても、すぐに飽きてしまう」「愛し合って結婚したのに、毎日口論が絶えずにしんどい思いをしている」などなど…

 このような「うまくいかない」カップルの組み合わせは、実はあらかじめ決まっていると聞くと、不思議に思われるでしょうか?

 本書は、まるで恋愛ハウツー本のような邦題とは裏腹に、至ってまじめな心理学理論に基づいた良書です。

 私自身、30代前半に婚活から1年程度でスピード結婚に至ったものの、お相手とは交際時代から諍いが絶えず、ストレスでボロボロになり、摂食障害や不眠、血尿が出るという状態に。
 当時は「女心を理解していないのが悪い」と自分を責め、「どのカップルも何らかの問題は抱えている」「自分たちの状況が特別に悪いわけではない」と自分に言い聞かせてました。

 しかし籍を入れたあと、本書に出会った私は、思い切って”離婚”という選択肢を取ることになりました。
 悲しい思いはしましたが、お互いにとって正解だったと今でも思っています。
 私に一歩を踏み出させてくれたきっかけにして、決定打となったのが本書でした。

 この記事では、私の人生を変えてくれた本書の内容をざっくり紹介しつつ、感想を述べていきたいと思います!

愛着の3タイプを知ろう

 人間は3つの愛着スタイルのいずれかに分類されます。
 性別の違いよりも、3つの愛着スタイルの違いの方が、パートナーとの関係性を大きく左右するものなのです。

 本書が下敷きとしているのは、イギリスのジョン・ボウルビィ博士(John Bowlby)が提唱した「愛着理論」(Attachment / アタッチメント理論)です。
 3つの愛着タイプとは「N=Anxious / 不安型」「V=Avoidant / 回避型」「S=Secure / 安定型」というものであり、NとVが組み合わさった無秩序型というタイプも存在します。

 統計上、Nタイプが2割、Vタイプが3割、Sタイプが5割とおおよその比率が出ており、どちらかといえばNタイプは女性に、Vタイプは男性にやや多いとも言われています。
 そして、この愛着タイプの組み合わせによって、そのカップルがうまくいくのか、いかないのかは、概ね判断ができるというわけです。

 以下に、それぞれのタイプを紹介しますので、あなた自身やパートナーがどのタイプかと考えながら読み進めていただければ幸いです。

依存心が強いNタイプ -不安型の場合-

 Nタイプの人はパートナーへの依存心が高く、相手との親密さを極大化したいという愛着的なニーズがあります。

 もちろん、親密になるというのは全く悪いことではありません。

 問題になるのは、自分が拒絶されたり、捨てられたりしたくないという恐れが強すぎるため、かえって関係を壊してしまいかねない誤ったコミュニケーション(プロテスト行動)を取ってしまう可能性があるという点です。

 プロテスト行動とは、相手の気を引きたいがために起こす極端な表現方法のことです。

 二人の間に問題が生じた場合、いきなり別れ話を切り出す、わざと距離を置く、感情を爆発させるなど、相手の気を引くための駆け引きをしばしば行うといった例が挙げられます。

 一方、Nタイプの人は、他人の顔色の変化に敏感なことが実験からも明らかになっており、パートナーや親しい人に対して深いコミットメントを行えることから、正しいコミュニケーションを身につけることで子育てや家庭生活において優れた能力を発揮できるかもしれません。

独立心が強いVタイプ -回避型の場合-

 Vタイプの人はパートナーへの依存心が低く、相手との親密さを極小化したいという愛着的なニーズがあります。

 これはNタイプとは真逆であり、NタイプやSタイプの人には理解しづらいと思いますが、私自身はVタイプなのでこの気持ちがよくわかります。

 Vタイプの人が抱える問題点は、とにかく孤独が好きというか、常に一定量の孤独を確保していないと、息苦しいほどの閉塞感を覚えるということです。

 そのため、恋愛や結婚に対して腰が重かったり、結婚してからもあの手この手で独りの時間を確保しようとしたり、モラル的に酷いケースだと浮気に走ったりします(浮気のどこが「独り」なのかという話ですが)。

 そのくせ、心の奥底では、独りで生きていくことがいかに難しく、また虚しいのかということも薄々察知しているのですが…

 Vタイプの場合、カップル間に問題がある場合、解決に向けた話し合いを避ける傾向がありますが、これも相手との親密さを避け、自分のテリトリーに相手を深入りさせないための戦略と言えるのです。

 Vタイプの人は、コミュニケーションを疎かにする一方で、自分にとって興味のある分野や、内的世界を深く追求する傾向があります。

 研究や芸術など創造性を問われる分野で個性を発揮し、優れた結果を残すケースも考えられるでしょう。

尊重心が強いSタイプ -安定型の場合-

 Sタイプの人はパートナーへの依存度が適度であり、相手との適切な親密性を築くことに長けています。

 これは無意識的なもので、健全な発育によってごく自然に自信に満ちあふれ、相手を尊重し思いやる能力が身についているのです。

 Sタイプの人は、パートナーの幸せについても自分の責任と考えますので、お互いにハッピーでいられるように誠意をもって努力することでしょう。
 また、二人の間に問題があれば、相手の人格を傷つけたりすることなく、具体的な問題にフォーカスして問題を解決しようとします。

 ただSタイプの人は必ずしもイケメンや美女というわけではなく、一見すると地味で平凡で、恋愛相手としての刺激に欠けている場合も多々あります。

 ある種のNタイプやVタイプの人が、自身の不安定な愛着スタイルを補うため、一種独特の魅力を放つことが多いのとは対照的ですが、幸せな結婚を安定して手に入れたいなら、Sタイプは理想の相手だと言えるでしょう。

まとめ

 以上、この記事では愛着スタイルの3タイプについて紹介してきました。

 あなた自身やパートナーはどのタイプに当てはまりましたか?

 予定の紙幅をオーバーしてしまったので、続きは後編でお贈りしたいと思います。
 後編では、以上の3タイプの傾向を踏まえ、どのように幸せなパートナーシップ(結婚生活)を手に入れれば良いのかということを検討していきたいと思います。

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 👉 どうせ自分には結婚なんて出来ないと思っている。
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 このような方には間違いなくおすすめできる一冊です!

 愛着理論を知ることで、自分自身の恋愛のクセを理解し、もっと良い関係を築けるかもしれません
 そんな気づきを得たい方は、ぜひ本書をチェックしてみてください!
 (豊富なケーススタディなど実践的な内容も数多く含まれております)

 それでは、最後までお読みくださり、ありがとうございました!

 <本書の目次>
 1日目 99%の人が知らない事実 人は恋愛するとロボットのような決まった行動をする
 1時間目 相手がどんな人かは、愛情タイプから簡単にわかる
 2時間目 パートナーに依存する人ほど仕事がデキる理由
 2日目 愛情体質診断 二人の関係は3つの愛情タイプの“組み合わせ”で9割決まる
 3時間目 あなたのは、N、S、Vのどの愛情タイプ?
 4時間目 相手の愛情タイプはどうすればわかる?
 3日目 自分の取扱説明書 なぜ合わないタイプの人を好きになってしまうのか
 5時間目 Nタイプ(不安型) 相手に振り回される人
 6時間目 Vタイプ(回避型) 恋愛関係では満たされない人
 7時間目 Sタイプ(安定型) “鈍感力”が心地よい人
 4日目 愛情のブラックホール “最悪の組み合わせ”から抜け出すには?
 8時間目 あらゆるけんかに共通するたった一つの“原因”とは
 9時間目 Sタイプへの道--自分の愛情タイプを変える方法
 10時間目 それでもうまくいかなかったらどうするか
 5日目 100%幸せな結婚を手に入れるための10の習慣
 11時間目 相手に気持ちが伝わる! 5つの習慣
 12時間目 けんかを乗り切るための5つの習慣
 エピローグ パートナーシップの3つの“嘘”とは
 訳者あとがき
 (本文284ページ)

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