【論文紹介】
「Tea, coffee and green tea consumption and mental health outcomes: A systematic review and meta-analysis of observational and intervention studies on stress and related conditions」
著:Mitesh Ikar and Sunil Sable
はじめに
お読みいただきありがとうございます!
みなさんは、コーヒーやお茶は好きですか?
私はどちらも大好きで、
気分によって飲み分けています✨
でもふと、こんなことを思ったんです。
「コーヒーって、そもそも体にいいの?」
「お茶はリラックス効果あるって聞くけど本当?」
何となく健康に良さそうだけど、
“こころに効く”作用はあるのでしょうか?
気になったので、研究論文を調べてみました。
その結果──
紅茶・コーヒー・緑茶などの飲み物は、
想像以上にメンタルに影響を及ぼす
ということがわかってきました!
この記事では、科学的な根拠に基づいて
3種の飲み物それぞれの効用を紹介し、
比較していきたいと思います。
休憩時間や、寝つきの一杯など。
上手に取り入れれば、
ちょっと生きやすくなるかもしれません。
そんな内容をご用意しましたので、
ぜひ気軽に読んでみてくださいね🌿
論文からわかったこと
それでは早速、一緒に見ていきましょう!
そもそもどんな論文なの?
今回ご紹介するのは以下の論文。
- 発表年:2023年
- 発表国:インド
- 大 学:ヴィシュワカルマ工科大学
- 形 式:システマティック・レビュー
(系統的レビュー)
システマティック・レビュー?
→同じテーマの研究を集めて、
共通点などを総まとめした論文。
たくさんの研究を比べており、
偏りが少なく、信頼性が高い。
紅茶・コーヒー・緑茶が
人のこころや脳にどんな影響を与えるのか?
このテーマについて、
じっくり調べてくれている論文です。
この記事でも、
一つずつ論文と同じ順番で
わかりやすく紹介していきますね。
紅茶 〜集中+癒しのバランス〜
まずは紅茶から見ていきましょう☕
午後のひととき、
ほっと一息つきたい時にぴったりな紅茶。
ここでは、
🔹紅茶だけの特徴と
🔹お茶全般に含まれるメリット
この2つに注目していきますね✨
✅ こころを軽くする効用
早速ですが、紅茶には──
こころを整える力があります。
・うつっぽさをやわらげる
・不安感をおさえる
こうしたプラス効果の存在が
研究で明らかとなっています。
さらに、
紅茶を4週間飲み続けたグループは
ストレスホルモンが有意に減少。
茶葉をしっかり発酵させることで、
渋みが抑えられ、テアフラビンなど
紅茶特有のポリフェノールになります。
こうした成分が、
リラックス作用をもたらしてくれます。
✅ 脳のはたらきを強化
紅茶に含まれるカフェイン量は、
緑茶よりも少し多めとなってます。
カフェインには覚醒作用があり、
眠気覚まし、集中力アップなど
脳のはたらきを強化してくれます。
しかもカフェインは、
お茶に含まれるLーテアニンとの
絶妙な相乗作用があるため
「リラックスしつつ集中」という
バランスの取れた状態に入れます。
作業効率を上昇させつつ、
精神的に落ち着くこともできる。
仕事や勉強にもぴったりですね。
✅ 健康への影響も
さらに健康面では、
脳の老化をゆるやかにする力も!
👉 週3〜5回以上飲む人は、認知症リスクが29%減少
前述のテアフラビンなどの成分が
脳の炎症や酸化を防いでくれるのです。
記憶に関わるシナプスへの影響も。
認知症の予防効果が期待できますね✨
✅ 紅茶のまとめ
ここまで論文で明らかとなった
紅茶の作用をまとめてみましょう。
- ストレスの回復を早める
- リラックス+集中アップ
- 脳の老化・認知症予防も◎
正直なところ、
メリットだらけの紅茶ですね…!
注意点としては、
人工甘味料を使った紅茶ドリンクは、
こうした効果があまりなく、
摂りすぎには注意です⚠️
また、カフェインについては
次のコーヒーのパートでも
詳しくご紹介します。
コーヒー 〜即効で効く一杯〜
次はコーヒーをチェックしましょう☕️
朝の仕事前の一杯、
日中のブレイクタイム──
香りだけでも安らげますが、
今回取り上げた論文でも
その効用がしっかり報告されています。
✅ 主役はカフェイン
コーヒーの主要成分といえば、
やはりカフェインが思い浮かびますね。
その効果は実に多彩で、
- 眠気や疲労感の軽減
- 集中力・注意力アップ
- 記憶力や判断力も向上
しかも”即効性”があります。
コーヒーのカフェイン量は、
紅茶よりずっと多くなっています。
また、少量のカフェイン摂取は
気分を前向きにしてくれ、
うつリスクが低下したという
研究結果も出ています。
香りだけでも、
リラックス効果が高まった
という実験報告もありますよ。
✅ その他の成分も◎
コーヒーに含まれるのは、
カフェインだけではありません。
特に注目の成分としては──
- クロロゲン酸(抗酸化・抗炎症)
ポリフェノールの一種で、
強い抗酸化・抗炎症作用を持ちます。
脳を酸化ストレスや炎症から守り、
神経細胞を守ると言われています。
- トリゴネリン(神経保護作用)
聞き慣れないですが、こちらも注目。
脳内の神経伝達をスムーズにし、
記憶力や学習能力にポジティブな影響が
あると考えられています。
- 微量ミネラル(神経伝達や代謝サポート)
マグネシウム・カリウム・ナイアシンなど
微量ミネラルもコーヒーには含まれています。
これらが不足すると、気分の落ち込みや、
疲労感を招くことがあります。
⚠️ カフェイン摂りすぎに注意!
メリットが多いとはいえ、飲みすぎNGです。
過剰なカフェイン摂取を続けると──
・不安感や動悸、イライラが収まらない。
・不眠になる。
・メリットが効かなくなる(耐性)。
といったリスクがあるからです。
対策としては、
・週に1〜2日はカフェインオフに
・薄めのドリップで味と香りをじっくり楽しむ
・午後3時以降の摂取は控えめに
などがおすすめです✨
下記の摂取目安表も参考にしてくださいね。
属 性 | 上限の目安量 |
健康な成人 | 300~400mgまでが安全圏とされています |
妊婦さん・授乳中の人 | 200mg以下が推奨(胎児・乳児への影響が出るリスク) |
カフェインに敏感な成人 | 100~200mg以内が無難なライン(豆から淹れるコーヒー1杯くらい) |
13~18歳の若者 | 100mg程度までが推奨(ブラックの缶コーヒー1本くらい) |
10~12歳の子ども | 約85mgまで(レッドブル1本くらい) |
7~9歳の子ども | 約62.5mgまで |
4~6歳の子ども | 約45mgまで(コーラ1缶分くらい) |
緑茶 ~安定のメンタル改善力~
それでは次に、
日本人に最もなじみ深い緑茶です🍵
緑茶には、紅茶と共通のメリットもあります。
さらに要注目なのは、
L-テアニンやカテキンなど、
緑茶ならではの成分が豊富なこと。
L-テアニンは主にリラックス効果があり、
ストレスや緊張を緩和してくれるほか、
睡眠の質も向上させてくれます。
緑茶にも含まれる微量のカフェインと
一緒に摂ると、適度な覚醒により
落ち着いた集中が可能となります。
カテキンには細胞の老化対策や
抗酸化・抗炎症・抗菌作用、
脂肪燃焼のアップや血糖直の改善など
脳や体への様々なメリットがあります。
論文では、
緑茶を飲んでいる人はうつが少なく
記憶力が上昇したというデータも。
これらのメリットをまとめると──
- リラックス効果が大きい
- 記憶力や認知機能を改善
- 脂肪燃焼など体質改善
こうした効果が期待できますね!
うつ改善などメンタル改善には
特に高い効果が見られました。
なお、緑茶はカフェイン控えめですが
貧血気味の方は摂りすぎ注意です。
(カテキンが鉄の吸収を阻害するため)
心配な方は、一日一杯ほどを目安に。
まとめ
以上、紅茶・コーヒー・緑茶がもつ
様々なメリットを見てきました。
最強の飲み物は一体どれでしょう?
結局どれが最強?
ここでは、多数の研究結果から、
飲み物ごとの効用を整理してみました。
飲み物 | 紅茶 | コーヒー | 緑茶 |
こころの 癒し | ★★★ | ★★ | ★★★★★ |
脳機能の 保護 | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ |
集中力 アップ | ★★★ | ★★★★★ | ★★ |
安心・ 安全性 | ★★★★ (子どもは★★) | ★★★ (子どもは★) | ★★★★★ (貧血の方は★★) |
このような結果となりました!
こころのケアや脳の老化対策には緑茶。
集中力アップにはコーヒーが最強。
両方のバランスでは紅茶が最強。
このように考えると、
効用に応じて飲み分けることが
ベストだと言えそうです。
上手な取り入れ方は?
それでは、この結果を踏まえて
生活への取り入れ方をご提案します!
時間帯 | 飲み物 | 摂取量 | 効果 |
起床〜 午前中 | ☕️コーヒー | 1杯(約150ml) | ・眠気を吹き飛ばす ・作業効率UP |
昼食後〜 午後 | 🫖紅茶 | 1杯(約150ml) | ・眠気対策 ・夜に影響しない |
午後〜 夕方 | 🍵緑茶 | 1杯(約120ml) | ・心を穏やかに ・適度な集中 |
夜間 | 🌿 ハーブティー | 好きなだけ | ・リラックス効果 ・安眠を助ける |
徐々にカフェイン摂取量を減らし、
夜に睡眠しやすくしています。
カフェイン摂取は200mg以内。
苦手な方でも無理なく摂れる量です。
また、ハーブティーについては
本文で取り上げていませんが、
今後の記事で紹介するご予定です。
上記はあくまで一例なので、
好みに応じて調整してみてください✨
結び 飲み物で幸せな生活を
この記事では、
信頼度の高い研究をもとに、
紅茶・コーヒー・緑茶の
「こころと体へのメリット」を
お伝えしてきました。
どれも、科学的な裏づけがあり
生活を豊かにする飲み物ばかり。
それに何より──
お気に入りの一杯を淹れる時間は
日々の「小さな生きがい」ですよね。
まずは気軽に、少しずつでも
取り入れてみてはいかがですか?
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました!